掲示板(会員より)

静嘉堂講演会 報告(2023.8.25)

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演題:「静嘉堂文庫美術館“あの世の探検~地獄の十王勢ぞろい~展”をとことん味わう」
  〔本展覧会会期2023/8/11(金・祝)〜9/24(日)〕

講師:静嘉堂文庫美術館学芸員吉田恵理氏、同席:同美術館丸の内オフィス下川寛子氏

日時:2023年8月25日(金)14:00~

出席:神戸大学東京六甲クラブ。講演後静嘉堂文庫美術館に移動し、展示品を直接鑑賞。出席:クラブ出席9名、ZOOM出席2名、事務局7名、合計18名

 

~講師による“三つの見どころ”...下記の(1)&(2)、(3)&(4)、(5)&(6)&(7)~

(1)「十王図・二使者図」(中国・元~明時代)重要美術品
当時、人が現世を離れ冥界に行くと十王がいて罪業を裁くと考えられ、供養の対象となった。今回、「十王図・二使者図」および「地蔵菩薩十王図」(次項)全13幅を一堂に展示、何れも生き生きとしていて圧巻、迫力がある。 【地獄の十王巡り】...1秦広王(初七日)→2初江王(二七日)→3宋帝王(三七日)→4五官王(四七日)→5閻羅王(五七日)→6変成王(六七日)→7泰山王(七七日=四十九日)→8平等王(百箇日)→9都市王(一周忌)→10五道転輪王(三回忌)。ここで死後の行き先が、天道・人道・修羅道・餓鬼道・畜生道・地獄の何れかに決定。二使者は、監斎使者(笏を持つ文官)と直府使者(刀を持つ武官)。 各王とも、判官(裁判官)、注善童子・注悪童子(業簿を抱え生前の善業・悪業を証明)、侍女、警護の将軍、司官、現世と冥界を繋ぐ使者、獄卒・鬼卒、枷械をはめられ鎖で繋がれた亡者や責苦に遭う亡者、更には刑罰軽減を求める供養者の一団なども描かれる。4と8では善業・悪業を天秤にかける業秤、5では生前の悪業を映し出す業鏡や後方に被帽の地蔵菩薩も描かれる。9・10の王はギョロリと睨む目が特徴。10の王は甲冑姿。

 

(2)「地蔵菩薩十王図」(高麗時代14世紀)重要美術品
「十王図・二使者図」とともに伝わった一幅。頭巾をかぶり、手に大きな宝珠を持ち、半跏し て座す地蔵菩薩で、地獄に出向いて救済をする。中国・唐の大暦13年(778)、開元寺の僧・道明が地獄に堕とされると、閻魔大王の亡者裁判で虎を従えた禅僧に会う。結局人違いと分かり生還するが、この冥界で出会った禅僧の正体が頭巾を被った地蔵であったという。

 

(3)「妙法蓮華経変相図」(部分)(南宋時代12~13世紀)
法華経で説かれた内容を素朴な筆遣いで描く。菩薩の様々に姿を変える様子に溢れる。

 

(4)「十二霊獣図巻」(部分)(室町時代16世紀)
中国の12の霊獣を描く。邪気を払うため、子供部屋の屏風に貼られていた。

 

(5)円山応挙筆「江口君図」(江戸時代寛政6年)重要美術品謡曲
「江口」(遊女・江口君の亡霊が西行法師と歌を詠み交わし普賢菩薩となって昇天したとい うもの)に取材した江戸絵画の名品。兵庫髷に前帯の美人が白象の背に腰掛ける。(6)・(7)や円山応挙筆「反魂香図」(幽霊図)等とともに観るのも興味深い。 ※江口:平安~鎌倉時代、摂津国の淀川と神崎川の分岐点にあった歓楽街。江口君は江口の遊女の総称。

 

(6)「普賢菩薩像」(鎌倉時代13世紀)重要文化財
鎌倉仏画の名品。(5)と併せて展示。

 

(7)「西行物語」(紙本墨書・鎌倉時代)重要文化財
今回(5)とともに展示。

 

(8)「苦行釈迦図」(高麗時代14世紀)
苦行6年の末山を下りた釈迦の姿を描いた出山釈迦図。大きな頭で口を開いた半身が雲越しにぬっと示現する大変特異な図柄。

 

(9)久隅守景筆「釈迦十六善神図」(江戸時代17世紀後半)重要美術品
狩野探幽の弟子久隅守景の名品。

 

(10)河鍋暁斎筆「地獄極楽めぐり図」(明治2~5年)
今回特別出品。田鶴の臨終からあの世への旅路が全40図に描かれる。

 

...その他、「釈迦如来像」(南宋時代)、「水月観音像」(高麗時代)や、「阿弥陀来迎図」(鎌倉時代)、「当麻曼荼羅」(鎌倉時代)、「如意輪観音像」(南北朝時代)、など多数。なお、国宝「曜変天目(稲葉天目)」(南宋時代)も併せて特別展示されている。

(記:昭和55年卒法・田中秀一)

 

 

以上

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21世紀若手の会「あなたの知らないマラソンの世界」開催報告(2023.8.4)

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8月4日、東京六甲クラブにて「21世紀若手の会 あなたの知らないマラソンの世界」が開催されました。
今回のイベントは2019年から計画されていましたが、感染症によって集会が難しくなった時期を経て、4年越しの実現となりました。イベントが始まる前から、参加者同士で自己紹介も兼ねた気軽なやり取りが行われ、オフラインの集いならではの和やかな雰囲気を感じました。
定刻の19時、経済学部2004年卒の松井謙治さんから「あなたの知らないマラソンの世界」と題して講演が始まりました。「人生で地球一周分走った」ご経験から、ただ走るだけではないマラソンの魅力、シューズやアプリなどのグッズの進化、海外の変わり種マラソン大会など、ユーモアを交えた興味深いお話を頂きました。マラソン未経験者でもわかりやすい内容でご講演頂き、参加された皆さんの反響も大きかったです。
講演に引き続いてクラブの中で懇親会が始まり、中華料理を囲んで歓談が弾みました。「21世紀若手の会」と言っても世代の幅は広く、学生時代の経験もさまざまで、普段接することのない人との会話で盛り上がりました。
参加者同士、またの開催を楽しみにしながらの閉会となりました。多くの人がためらわず集まれる時勢が戻ってきて嬉しい限りです。

参加者:クラブ9名、ZOOM3名、事務局3名、計15名

(記:2009年卒工学研究科岩佐福一)

 

 

 

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第9期ミニMBA活動報告(2023.7.19)

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 私が皇居の目の前にある帝国劇場のすぐそば、帝劇ビル地下の東京六甲クラブに初めて足を踏み入れてから早3年。先日第9期miniMBAが無事終了しましたことをご報告いたします。
 最初に地図を見た時は丸の内・有楽町エリアの超一等地に同窓会室があったのかと驚き、扉を目の前にしてその秘密結社のごときたたずまいに二度驚き、そしてその扉が存外に軽いことに三度驚きました。
 あれから幾度となく有楽町に足を運び、時に大住先生に、時に共に学ぶ様々な年代・職業・バックグラウンドの受講生の方々に大きな刺激を受けてきました。講師である大住先生は旧川崎製鉄で財務・海外事業経営・経営企画のキャリアを積まれ、同社の第一号MBA派遣として、米国バークレー大のMBA・Haasをご卒業されています。ご退職後は青山学院大学・立命館アジア太平洋大学でも教鞭をとっておられたというビジネスとアカデミック面で死角のない方でいらっしゃいます。講義の内容については、詳しくは大住先生のシラバスをご覧になるのが一番かと思いますが、MBAコア科目(経営戦略・マーケティング・組織行動論・製品開発・組織的知識創造・生産管理・会計・ファイナンス)をカバーしたかなりボリューミーな内容を、”Thereisnothingsousefulasagoodtheory”(“良い理論ほど実践的なものはない”)という指針の下ご教授いただきます。(一般的に米国MBAでイメージされるケーススタディは一切行いません。)
 恥ずかしながら、「まじめな」大学生で合った私は受講当初このthoery-basedな授業について大学での難しく眠たい実用性に欠ける講義が思い出され、若干敬遠しておりました。しかし、実際は先人たちが既に示してきた「方程式」を学ぶことが、実務で堂々巡りだと思われた問題のコアをつかむのにが非常に有用であることにしばしば驚かされました。また、先生の長年の教壇でのご経験も踏まえられた膨大なテーマの中からエッセンスが抽出された講義資料は、「まじめな」大学生であった私でも非常に理解のしやすいものでした。
 月2回のプログラムは、基盤となる前述の先生の講義と”advancedsession”で構成されます。advancedsessionでは、有志の受講生に加え、100名を超えるアルムナイ「掬星会」のメンバーや、一流のビジネスマンの方にゲストスピーカーとしてご講演いただきます。先生の豊富なご交友関係に恵まれ、理論だけでなく、実務や他業界を学ぶ場として非常にバランスの取れたプログラムとなっております。
 9期は8期と比較して若いメンバーも多く、キャリアの面でもベンチャー企業社員から大学教授まで非常に多様性に富んでいました。また、河合ATAのご尽力もあり、オフライン講義だけではなく、zoom・録画機能を使ったオンラインの講義からも全国から多数の受講者が参加いたしました。帝劇ビルはすでに建て替えが発表されており、有楽町のこの秘密結社のような地で大住先生の授業を受講できるのは10期生が最後となるかもしれません。稚拙な活動紹介となりますが、少しでも興味を持たれた方がいらっしゃいましたら是非六甲クラブへお問い合わせください。

冒頭本講義から様々な刺激を受けたと申し上げましたが、私自身も刺激の結果として8期の途中で転職を決意・最終講義直後に新しい会社での仕事をスタートしました。(ちなみに私のようにminiMBAをきっかけに転職をされる方が少なからずいらっしゃいます。)9期では新しい環境の下でもう一度学びたいと再受講(居残り)をさせていただいたのにも関わらず、忙しいことを言い訳に伺えないこともあったのが心残りです。それでも温かく迎えてくださる大住先生、いつも細やかなサポートをいただいている六甲クラブの野崎さん、倉城TA、河合ATAにはこの場を借りてお礼申し上げます。

(記:8・9期受講生 岩井(2015年卒・法))

 

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第162回木曜会講演会報告(2023.7.13)

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第162回木曜会講演会は、神緑会(医学部医学科)が担当し、今年4月に新しい大学院である医療創成工学専攻が設置され、担当されて居る村垣医学研究科副研究科長にご講演頂きました。
(講演骨子)
質の高い医療を行っている日本ですが、医療機器産業は海外メーカーに押され年間1.5兆円の輸入超過です。特にリスクの高い心臓ペースメーカーや埋め込み人工関節はほぼ輸入品に頼っており安全保障上の由々しき事態となっています。国内でも医療機器開発のためのアカデミアの取り組みは、東京女子医科大学やいくつかの医用工学教室で行われてきましたが、体系的に行われてきたものは少ない。医薬品に対する薬学のように医療機器に特化した医療機器学を確立し、神戸発国産医療機器を創るために、藤澤学長主導の元、2023年4月に新しい大学院である医療創成工学専攻が設置され、2年後に新学科の設置を目指しています。その取り組みとともに、AMED支援で開発したスマート治療室や、神戸大学とメディカロイド社と開発した国産ロボットhinotori等の最新医療機器を紹介頂きました。

医工連携の重要性は各方面で提唱されているものの、なかなか進捗が見えない分野でもあります。母校でこのような先進的な専攻科が設置されたことを大変うれしく思うと同時に、普段なじみのない工学方面の知見も医学的な知見からお話しいただくことで非常に理解しやすいご講演を頂きました。2つの分野を融合させた大学院、学科の設置に伴い色々な困難もおありかと拝察されましたが、それをはるかに上回る村垣先生の情熱的なお話が大変印象的でした。現在臨床医として勤務するだけではなく、研究、行政、企業、起業等様々な進路を選ぶ医学部卒業生も増えてきております。産学連携の面で村垣先生の取り組みが先駆けとなることを大いに期待されるご講演となりました。

参加者は、クラブ出席21名、ZOOM参加12名、事務局5名を合わせ38名となり、会員皆さんの興味の高さを示しました。

(記:2012年卒医、加耒 佐和子)

 

 

 

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7月28日掲載 7月21日「納涼ビアパーティ」開催報告

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コロナ禍で開催を控えていた「納涼ビアパーティ」を、4年ぶりに開催しました。 猛暑の中、総勢32名の参加を頂き、中にはアロハシャツ着用の方も居て、華やかな雰囲気の中、久しぶりに生ビールを飲みながら懇親を深める事が出来ました。

イベントは、従来同様、
・「小寺美穂(春野かなみ)」さんによる「昭和歌謡ショー」では、懐かしい日本の曲に聞き入り
・「嶋ひろしとブルーレイズ」による演奏では、ハワイアン・ラテン音楽で、異国の雰囲気に浸り
・「じゃんけんゲーム」では、勝負にこだわる一面を発揮して、参加者全員が賞品を手にし
ビアパーティの2時間が、アット言う間に過ぎました。

4年振りと言う事で、幹事団も手探りな面が多い中、慣れないビール注ぎを担当したり、食事面ではお寿司を注文したり、賞品では神戸大学グッズを用意したりと、創意・工夫しました。
来年も、より盛大に開催出来る事を願う次第です。
最後に、賞品を寄贈頂いた方々へ御礼申し上げます。

日時:7月21日(金)午後6時から8時頃まで

参加人数:32名(会員24名、幹事団8名)

記:宮野清(50年、経済)

 

 

 

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第161回木曜会講演会「日本経済と今後の金融政策」報告(2023.6.22)

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演題:「日本経済と今後の金融政策」

講師:宮尾 龍蔵 氏(神戸大学大学院 経済学研究科長・教授)

日時:2023年6月22日木)18:00〜20:30(講演 懇親会)

出席:ZOOM出席19名、クラブ出席14名、事務局7名(合計37名)

 

【略歴】
1987年3月 神戸大学経済学部 卒業 経済学研究科 博士前期課程修了、助手を経て
1994年11月 ハーバード大学大学院経済学研究科 博士課程修了(Ph.D.in Economics
1995年4月 神戸大学経済経営研究所 助教授。教授、所長を経て
2010年3月 日本銀行政策委員会 審議委員
2015年3月 東京大学大学院経済学研究科 教授
2020年4月 神戸大学大学院経済学研究科 教授
2022年11月より現職

【主な著書】
『マクロ金融政策の時系列分析―政策効果の理論と実証』日本経済新聞社2006年6月(第49回日経・経済図書文化賞)、『非伝統的金融政策―政策当事者としての視点』有斐閣 2016年10月、『コア・テキスト マクロ経済学』第2版 新世社2017年6月、など。

 

【概要】
 T.日本経済の現状と見通し
(1)コロナ禍のインパクト(リーマンショックとの比較や米国との比較からGDPで見ると、概ねリーマンショック時並みの大きな落ち込みであったが、ようやくコロナ禍前のトレンドに戻って来た。
一方、民間消費で見ると、行動制限等の影響が大きく、リーマンショック時を上回る深い落ち込みとなった。
民間消費トレンドとしてはリーマンショック後の消費税引上げ2014年4月・2019年10月も影響を残している。
目下大きく改善しつつあるとはいえ回復途上。米国との比較では、米国の方が、現金給付等の施策や旺盛な消費意欲などが寄与し、強い回復トレンドを示している。(足下も 非常に底堅い状況)
(2)好調な企業部門・慎重な家計部門
中味を見ると、企業部門の好調が目立つ。企業収益や設備投資などが、大きく持ち直している。
一方、家計部門の方は、民間消費動向でも見たとおり「慎重さ」が見受けられる。
(3)雇用・物価・賃金の動向
雇用は、大幅に改善が見られ、有効求人倍率や正規雇用増などにそれが現れている。
消費者物価指数は、財を中心に大幅アップ。エネルギー価格は落ち行いているものの、引続き更なる価格転嫁の動きや人手不足等を背景としたサービス部門での上昇が見込まれる。賃金は、今春かなり上昇。物価上昇下、この動きが基調となって続いて行くかがポイント。
(4)円安とその背景
米国の利上げ10回、日米金利差の拡大。
米国の今年後半の見通しに注目利上げの打ち止めはあるか。
@マイルドな景気後退(利上げの効果も出てくるはず
A引き続くインフレ圧力。特にサービス部門(人手不足と賃金上昇)。
(5) 海外で稼ぐ力、対外純資産日本経済の強み
@ 企業の潤沢な内部留保。
A貿易収支は大幅赤字ながら、経常収支では大幅黒字を維持。

U. 日銀の金融政策
(1) 植田和夫新日銀総裁の 金融政策スタンス
@時間軸政策(フォワードガイダンス)を重視 。(中央銀行が、将来の金融政策の方針を前もって表明し、市場参加者の予想や期待に働きかけることで、金融政策の効果を高めること)先行指針の表明自体が金融緩和手段のひとつとの考え方。
A拙速な利上げには慎重で、異次元緩和の副作用を認識しつつも 、粘り強い緩和が必要とする。…ハト派。
(2) 非伝統的金融緩和政策
伝統的な金融市場調節手段である政策金利がゼロの状況から、更に金融緩和を行う政策。
〔日本における非伝統的金融政策の推移〕
(※ 植田和夫氏:1998年4月〜2005年4月 日銀審議委員)
1999年2月ゼロ金利政策の開始
(短期市場金利 <無担保コールオーバーナイト物金利>をほぼゼロに誘導する政策)
2001年3月 量的緩和政策(QE)の開始
2013年4月 量的・質的金融緩和政策(QQE)の開始(3月黒田東彦氏日銀総裁就任)
@ 目標インフレ率2%を2 年程度の期間を念頭に置いて出来るだけ早期に実現すること。
A 金融市場調節の操作目標を無担保コールオーバーナイト物金利からマネタリー・べースに変更。
B 長期国債の保有残高を年間約50 兆円相当のペースで増加させることによりマネタリー・ベースを年間約60〜70 兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うこと。(…その後拡大)
C 買入れる長期国債の平均残存期間3年弱を7年程度にすること、不動産投資信託(J-REIT)・上場投資信託(ETF)の保有残高を2 年間で2 倍に相当するペースで増加させること。
2016年1月 マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策(3次元QQE)の開始
補完当座預金制度の改正により、日本銀行当座預金のうち「政策金利残高」に−0.1%のマイナス金 利を適用。
2016年9月 長短金利操作付き量的・質的金融緩和の開始。
長期金利について「10年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう長期国債の買入れを実施。
2021年3月 柔軟なイールドカーブ・コントロール運営のため、変動幅「±0.25%程度」を明確化。
2022年12月 長期金利の変動幅を「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大。

V. 課題と見通し
〜これまでの大規模緩和をどう引継ぎ、どう変えていくか〜
(1)「2%物価安定目標」の達成見通しについて
注目点 @ 賃上げの持続性(来年の春闘含め)と、物価動向や企業業績など。
A 海外景気(特に米国の物価動向と景気後退リスク)。
B 米国の金融政策:利上げの継続、利下げに転ずるタイミング。
C 為替動向。
(2) 政策修正の糸口
まずは、長期金利の変動幅:「±0.5%程度」→ 更に変動幅を拡大か。
(3) 政策修正のタイミング(いつどのように行うか)
現状:「早すぎるリスク > 遅すぎるリスク」 → 先延ばし
ポイント (望ましいのは「2%物価安定目標」を達成した確かなタイミング)
@ 物価上昇に伴う金利上昇圧力
A 国債市場における歪み(歪み悪化リスク)
◇ 金融市場における早期政策修正予測の高まり(思惑)への「牽制」。
★政策修正タイミングの決定・情報発信、ともに至難の業。



質疑:長期の非伝統的金融緩和政策がもたらした副作用に関するものなどのほか、財政や経済運営全体にも及ぶ観点のもの等も含めて、活発な質疑が行われた。

(文責:昭和55年卒法・田中秀一)

 

 

 

以上

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「第13回東京六甲クラブ杯」ゴルフ大会開催報告(2023.06.13)

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第13回東京六甲クラブ杯は2023年6月13日によみうりゴルフ倶楽部にて雨天の日が続く中、晴れ男が終結したかのように奇跡的に好天に恵まれた好条件の中開催され、
皆様和気藹々とプレーを楽しまれました。

参加者は
安田芳治(38B) 外山峯生(38B) 前田和秀(40J) 辻 等 (44B)三谷史生(44E)
上巳 浩(45B) 藤田祥治(46B) 堀 章夫(46T) 加藤建策(48B) 多田賢男(49A)
梶井香樹(49A) 宮本雅史(50T) 三苫敏和(53B) 藤本伸一(53A) 澤田 茂(54A)
安井泰朗(54B) 田中 易(56A) 三木桂一(57B) 増原浩二(H1A)の 19 名。
新ペリア方式で競い 優勝 上巳 浩さま
準優勝 堀 章夫さま
3位澤田 茂
の結果でした。
次回は2023年8月29日
大浅間ゴルフクラブにて開催されます。奮ってのご参加をお待ちしています。

(記:54年卒農・澤田 茂)

 

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KUC アートサロン参加者募集

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KUCアートサロンでは、来年2月第15回アート展(作品展)を予定、新たな参加者、出品者を募集しています。
絵画、写真、陶芸等、日頃創作をしておられる方、参加されませんか。
ご関心をお持ちの方は是非、下記の世話人・百瀬まで、お名前に卒年・学部を添えてメール連絡をお願いします、詳細につきご案内申し上げます。

なお、KUC アートサロンは六甲クラブの40周年の際、関東在住のOB・OG により発足、以降毎年1回作品展を開催、今年第14回には15名が参加、作品を出品しております。


■第15回アート展

会期:2024年2月4日から10日

場所:東京交通会館(有楽町) パールルーム

KUC アートサロンの活動状況はこちらをご覧ください。
https://www.rokko-club.jp/hp/art_salon/
KUCアートサロン 世話人 百瀬 信二(S46 経済卒)
メールアドレス(shinji-momose@jcom.home.ne.jp

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「豊臣秀頼をどうする? ~徳川家康の苦悩~ 」開催報告

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演題:「豊臣秀頼をどうする? ~徳川家康の苦悩~ 」

講師:堀 新(ホリ シン) 共立女子大学 文芸学部教授

日時:4月14日(金)18時~19時10分(講演+質疑)

出席者:総勢 23名(ZOOM 参加は11名、クラブ参加は事務局含め12名)

(講演概要)

徳川政権を確立する為には、豊臣秀頼(豊臣家)をどう扱うかは最大のテーマで、家康の苦悩・試行錯誤等の検証内容を報告頂きました。(以下簡記) 1)関ヶ原の戦い(1600年)の虚実 (注)家康 59歳、秀頼8歳
・東軍西軍ともに「秀頼様のための戦い」(形式的には秀頼が主君)
・家康は豊臣家の大番頭で、秀頼が成人するまでの「つなぎ役」
2)伊達政宗から今井宗薫への書面(家康の想いを忖度した内容)
・秀頼成人後に家康が器量を見極める。→討伐?/徳川・豊臣並存?
3)家康の模索:将軍任官(1603年)以降、秀頼と8年間対面無く、上下関係を曖昧に。
4)二条城会見(1611年) (注)家康70歳、秀頼19歳 ・秀頼の器量を確認し、家康が危機感をもつ重要な出来事。→秀頼討伐を決意へ。
5)湯武放伐論(とうぶほうばつろん):家康⇔林羅山(1611 年) ・家康の苦悩:豊臣家を滅ぼすことは許されるか?(2 回も尋ねる) ⇔林羅山の回答:豊臣家を滅ぼしても謀反ではない。(孟子から) 6)方広寺鐘銘事件(1614 年):秀頼討伐が目的の言いがかり(難癖)作戦。 7)大坂の陣(1614 年~1615 年) ・徳川では、冬の陣で結んだ講和は不戦でなく次に戦うためのもの。→夏の陣へ 8)秀頼の最期:家康は助命容認か?→秀忠が決断へ 9)家康死去(1617 年):徳川政権の確立を見届けると同時に75歳で亡くなる。
(余談)同年、イギリスの劇作家「シェイクスピア」も 52 歳で死去。
(感想) ・家康が豊臣家を滅ぼすのに、関ケ原の戦いから秀頼切腹まで 15年の年月を要した事に改めて驚くと共に、この間の家康の心境を具体的な資料、事実から検証された内容を聞く事で 家康の実像に迫る事が出来ました。
・特に、二条城会見は、成長した秀頼を見て家康が豊臣家の討伐にかじを切る、ターニングポイントだったとのお話には納得しました。
・又、湯武放伐論の中では、家康が2回も林羅山に聞いたとの事で、家康の慎重な(裏返すと迷い)人柄を垣間見る事が出来ました。
・家康が75歳と長生きした事も強運だったとの感想が参加者から有り、同感しました。 (注)信長49歳、秀吉63歳で死去 ・最後に、「大坂夏の陣図屏風」(大阪城天守閣所蔵)に、涙にむせぶ女人達が描かれているとの指摘には衝撃を受けました。教授が最近取り組んでおられる戦国軍記・合戦図の史 料学的研究に大いに期待しつつ、今後のご活躍を祈念します。

(記:昭和 50 年卒経済、宮野清)

 

 

 

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第160回木曜会講演会報告「神戸大学の観光学:地域連携と国際協力の新しい交差点」(2023.4.13)

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第160回木曜会講演会は、教育学部~国際人間科学部由来の紫陽会関東支部が担当で、神戸大学大学院国 際文化学研究科 准教授の辛島理人氏に講演頂きました。

演題:「神戸大学の観光学:地域連携と国際協力の新しい交差点」

講師:神戸大学国際文化学研究科 辛島 理人(からしま まさと)准教授

 

【略歴】
1975年大阪生まれ西宮育ち。甲陽学院高校と一橋大学経済学部を卒業。同大大学院修了後、オーストラリア国立大学で博士号(歴史学)取得。京都大学や関西学院大学を経て、2016年10月より現職の神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。2017年4月に設置された国際人間科学部(グローバル文化学科)准教授を兼任。専門は国際関係史、特にアジア太平洋地域の文化経済交流。近年は観光を国際政治の観点から勉強中。

 

【講演内容】
 国際人間科学部を中心に展開されている神戸大学の新しい領域である「観光学」の可能性について、「グローバル(国際貢献)とローカル(地域振興)をつなぐ重要な領域」であることと同時に、「高度な人材育成という社会の要望に神戸大学の実績が貢献可能」ということを主眼に次のようなお話を頂いた。

[それぞれの状況]
〇神戸大学は 2022 年に創立120周年 産業や地域(自治体)との連携を強化する方針
〇神戸市の状況
・市内にある大学を資源ととらえ、それらとの連携を強化しつつある
・ポスト2025:2030年頃の神戸空港の国際化や三宮など中心部の再開発
・観光振興:奈良とともに京都や大阪に出遅れていると言われるが可能性大
→神戸経済:製造業・ファッションという基盤+医療バイオというテコ=雇用増は低調
→神戸観光:正規雇用を増やすという課題+交通網という資源=発展の可能性大
→観光の正規雇用を増やすには、曜日や季節によらない通年での安定した集客が必要
→1)国内観光(特に教育旅行) 2)インバウンド 3)アウトバウンド 〇日本(特に観光) ・2023年度からの第四次「観光立国推進基本計画」(三カ年)
・成長戦略の柱・地域活性化の切り札:国際相互理解や国際平和の手段として

[大学の取り組み]
〇国連世界観光機関(UNWTO)への賛助加盟 →2021年12月に承認:全国で21番目、兵庫県では初の賛助加盟員
・1975年に設立された、観光分野における世界最大の国際機関
・「責任ある、持続可能で、誰もが参加できる観光の推進」が責務
・日本も1978年に加盟、1995 年には世界初の地域事務所が大阪に設置 (現在は奈良市)
・加盟国160カ国、加盟地域6地域、オブザーバー2地域、500以上の賛助会員
〇UNWTOの「ベストツーリズムビレッジ」に特に協力
・持続可能な観光を推進するために農村観光地域の優良事例を表彰する国際的取組み ・2021年は日本から三地域(北海道ニセコ町・京都府南丹市美山町・北海道 美瑛町)
〇京都府南丹市美山町との連携・美山観光まちづくり協会(観光地域づくり法人)の事務局長が卒業生
・美山町と UNWTO や官公庁との連携を支援
・GPSプログラムの現場として美山を学生が訪問→官公庁のプロジェクトに 採択
・神姫バスなど民間企業の協力を得て、現地でセミナーを開催
〇地方自治体との連携:姫路市との連携協定(2023 年 3 月)
・交換留学生や海外学生を巻き込んでの姫路観光振興
〇今後の展開 ・大分県(中津市)での観光振興:同窓生ツーリズムの可能性

[その他のお話]
〇世界の観光・ツーリズムをリードする「ツーリズムEXPOジャパン」 @インテック大阪が10月28・29日に開催され、神戸大学から出展
〇ラジオ関西で「神戸大学☆夢ラボ」を発信中(ラジコで聴取可)

当日の参加者は、クラブ参加 22名(講師、東京六甲クラブ事務局5名含む)、 ZOOM参加11名で、講演会後の質疑応答や懇親会(クラブ参加者)においても辛島先生を囲んで賑やかな時間を過ごすことができました。

(S52 教育 上田雅弘 記)

 

 

 

 

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与禄会(昭和46年卒東京同期会) 2023年4月6日 四年ぶり開催の報告

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幹事(2020〜2023年)植木(理)、浜橋(法)[文責]

◯与禄会は前回2019年(平成31年)の4月に開催して以来、3年続けて開催見送りを余儀なくされましたが、このたび2023年(令和5年)4月6日に、元号の年では5年ぶり、実質では48か月の4年ぶりに開催し、ひさびさに会員の再会を果たすことができました。今回は、夜ではなく昼間の会とし、テーブルに分かれて着座で一人一人の弁当で飲食しつつ必要に応じてマスクもする対応のもと、8つの学部から24人の参加者を得てコロナ前と遜色のない盛会となりました。

 

◯ 「私の団塊ライフスタイルを語る」 星川博行さん(農)の「陶器、作りつづけて38年」の基調講演をいただき、続いて、星川作品チャリティーオークションを行いました。セリ台に乗せた10数点の作品を参加者が下見した後、司会植木さんが "セリ人"になり、星川さんが1点ずつ"呼び上げ"を行って、10数点の作品が次々にセリ落とされました。売り上げ総額は22,000円、うち12,000円は星川さんから六甲クラブに寄付されました。

 

 

◯ 食事と懇親 後半の懇親では、ひさびさの再会の話しがはずむなか、与禄会ゴルフコンペを今回(5月末)で最終回とする案内(餅崎さん)と、クラブ移転についての案内(野崎さん)を話していただき、また、4つのテーブルから代表1人ずつ近況を話していただいて、大いに盛り上がりました。懇親の終わりには、次回の幹事と「団塊ライフスタイル」の語り手を選任したあと、集合記念写真を撮影して、次回幹事の一本締めでお開きとしました。

 

 

☆ 次回幹事: 浅沼さん(経済)、妻鹿さん(経営)。「団塊ライフスタイル」語り手: 浜橋(法)(退職後のアフリカでの仕事で考えたこと)。

<出席者>

 

 

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第159回木曜会講演会報告「海神丸建造の記録」(2023.3.9)

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第159回木曜会講演会は、海洋政策科学部海神会関東支部が担当でした。神戸大学大学院海事科学研 究科 教授 藤本昌志氏に講演頂きました。

演題:「海神丸建造の記録」

講師:藤本 昌志 氏 神戸大学大学院海事科学研究科 付属練習船海神丸船長、
   海事科学研究科 教授

 

【略歴】
1991年 神戸商船大学商船学部航海科 卒業 乗船実習科 修了・日本郵船株式会社 入社 1999年 神戸商船大学商船学部 助手/2005年 大阪大学法学研究科 博士後期課程修了 博士(法学)・独立行政法人航海訓練所/2006年 神戸大学海事科学部 助教授、海事科学研究科 准教授/2022年 海事科学研究科 附属練習船海神丸船長、海事科学研究科 教授、現在に至る

 

【講演内容】
 1987年に竣工した海事科学研究科附属練習船「深江丸」は35年の長きにわたり運行し老朽化してきたので後継の練習船として人材育成・研究教育活動に対応できる「海神丸」が計画建造された。深江丸の後継船と云っても、深江丸(全長約50m、総トン数449トン)は男子前提での建造であり、国際ルールも変遷している。また、研究教育活動に必要な設備機器類の装備、環境負荷低減にも取り組む必要がある。これらを踏まえたコンセプトの作成等で多くの会議・打ち合わせをした。深江のポンドに係留する条件から船長60m、船幅11m、観測機材を除いた吃水線2.8mの船体に、従来装備に加え研究教育活動に必要な多角的な海域探査や観測のための最先端研究機能機器、および学生48名の居住区は男女共同利用に配慮し4人部屋4室、8人部屋4室とし、並びに新たな造水設備を備える等が配置された。また、災害対応として給水・給電機能の強化、コンテナ輸送スペース・ウィンチング エリアを設置するなど災害対応型高機能練習船の仕様(総トン数892トン)が決定された。起工式は 三井2015番線 練習船海神丸として令和3年5月6日に執り行われた。建造は小組立、大組立と進み、大組立ではブロック外板の接合の折の外板の歪取りは職人技で行われた。機関室船底艤装が行われた後の主機(4サイクル中速ディーゼル機関)の装着から順次上部が組み立てられた。観測用ウイ ンチ・支援機械は航海船橋甲板に光電気複合アーマードケーブルウインチ、ワイヤーケーブルウイン チを有し、船尾の観測甲板からの観測支援が可能となっている。観測支援装置には海底音響測位・通信装置用昇降装置、船尾Aフレーム、雑用クレーン、雑用ダビッドを備えている。なお、船橋には新時代の運航支援装置を搭載するなど、船舶運航のデジタライゼーションに対応できる海技士養成が可 能な船橋となっている。そして外部塗装を経て進水式の運びとなった。進水式は、三井E&S造船株式会社の艦艇・官公庁船事業を承継する新事業会社として10月1日に発足した三菱重工マリタイムシステムズ株式会社が10月8日に実施した。また、海洋底から堆積物を採取するピストン・コアラ-は 進水式後に艤装した。海上公試の他に自動船位保持装置(DPS:Dynamic Positioning System)試験、オーバーハウザー、反射法地震探査装置試験、オフライン採水装置試験、海底音響測位試験、通信用装 置用昇降装置試験、観測用ウインチ、オケヤングラブ採泥装置、船主海上公試スパイラル試験(船の 針路安定性を見る試験)等を実施した。3月23日の海神丸引き渡し式後の570kmの航海では経済速力10ノットの航行で11,000リットルの燃料を消費している。もっと早くと速力を13ノットに上げた航行では 燃料消費量は倍以上に膨れ上がる。
 新しい船名は海や船に親しんでもらう神戸大の取り組み「海神プロジェクト」に因んでいる。 クラブ参加者21名(講師、東京六甲クラブ事務局4名含む)、ZOOM参加者7名の参加があった。

(記:昭和43年卒海、田中貴雄)

 

 

 

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「桜と古地図を楽しみながら江戸を歩く」 報告 2023.3.29

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昨年の梅村さんによる「古地図(古文書)で江戸を歩く」の講演をいただきましたが、今回はリアル散策を企画しました。東京六甲クラブとしての初の江戸散策の企画で、梅村さん主催の「江戸の会」 の散策グループとコラボ企画で開催しました。六甲クラブの皆さんが12名参加で、江戸の会会員が16名で併せて28名で多くのご参加をいただきました。

日時:3月28日(火)、12時30分~17時

集合場所:メトロ有楽町線「桜田門駅」5番出口付近
【散策コース】 桜田門駅前→法務省旧本館(赤レンガ棟)/霞が関→国会前庭(彦根藩上屋敷跡)→ (外)桜田門→皇居二重橋前→馬場先門跡→明治生命館→和田倉門→大手門皇居東御苑→平川門→将 門塚→地下鉄・大手町駅

【ガイド】梅村俊一 氏

(ご略歴)
1949年大阪市(住吉区)出身。京都大学法学部卒業。1972年住友信託銀行(現在、三井住友信託銀行)に入社。執行役員、関連会社役員を経て2013年退職。
(最近の活動トピックス)
NHK番組「歴史探偵」の第1回放送「参勤交代」(2021年3月31日放送)の中で、当時の古文書を解説。「江戸の会大」、「江戸ウォーキング」、「歩こう会」などの散策の会を主催

 

 午前中は小雨模様の天候でしたが、お昼からは晴れ間となり花見に最高の天候となりました。現在 霞が関1丁目の一画は司法関係省庁で占められいますが、江戸時代は上杉米沢藩や板倉備中松山藩な ど多くの上屋敷がありました。上杉米沢藩の跡地になる法務省旧本館(赤レンガ棟)の法務史料展示 室で日本が近代国家として法制度を整備した歴史を見学しました。その赤レンガ棟の2階のベランダから見た桜と桜田門の景観は絶景でした。
 その後霞が関坂を上って井伊家上屋敷跡の国会前庭から皇居を眺めながら桜田門前に移動して桜 田門事件の現場付近から国会前庭方向を江戸名所図会と見比べながら桜田門の変の当時の景観を思い起こしました。桜田門から二重橋前、和田倉門、桔梗門を通って、江戸城を守っていた36見附の代表的な桜田門や桔梗門などの門構えを梅村さんにわかりやすく解説いただきました。江戸城の内曲輪、二之曲輪さらに外曲輪により江戸城本丸が堅牢に防禦されていたことがよくわかりました。今年は皇居前広場は乾門から皇居内の花見が可能となり多くの花見見学の方が海外の観光客も含めて花 見を楽しんでいました。東御苑では江戸城跡の石垣前で集合写真を撮り北桔橋門から平川門橋門を見 ながら江戸城の内堀に沿って大手町将門首塚まで散策して今回の江戸歩きをお開きとしました。
参加の皆さんも梅村さんの江戸名所図会や古地図を見比べながらの細やかな解説を伺い楽しい花見 散策を堪能されたご様子でした。
 今回が初めての企画でしたが、今年は秋シリーズを計画したいと検討しています。
秋シリーズのコースは本郷周辺で、江戸城周辺の大名屋敷の町割りとは異なり御家人屋敷の痕跡など を見ながら加賀藩上屋敷跡の東大本郷キャンパス内も散策しながら秋の散策を予定していますので秋シリーズもお楽しみにしてください。

(記:昭和50年卒工、中川順三)

 

 

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「今年のタイガース」講演会報告(2023.3.11)

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 コロナ禍のなか、毎年開催するかどうか迷いつつも、昨年に続き、今年もなんとか3月11日(土)の午後、開催にこぎ着けることが出来た。東京六甲クラブではZOOMを使った会合がもはや一般化しているため、今回もクラブ参加とZOOM参加を募り、それぞれ20名弱、10名弱の方々に参加して頂いた。
 昨年と同じく、デイリースポーツのコンテンツ局報道局長、岩田卓士氏に講演をお願いした。岩田氏はかつて2003年、5年のタイガース優勝時にタイガース取材キャップを務められた経験があり、今年再び監督に返り咲いた岡田監督とは当時ほとんど一日24時間近く付き合った経験があると話された。今年は総合的に見て優勝の可能性がかなり高い、と講演の中で話されたこともあり、ZOOM参加の方もクラブ参加の方々も熱心な質問が相次いだ。
「六甲おろし」をみんなで歌った後、クラブラウンジでのビールとおつまみの懇親会でも大いに会話がはずんだ。WBCも日本の優勝で終わることになり、今年のプロ野球への関心は高まっている。タイガースの活躍を大いに期待したい。

(記:3月25日 昭和40年卒経済、柴谷 元)

 

 

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第158回木曜会講演会報告「食と健康〜ブルーベリー、カカオ、お茶などに含まれるポリフェノール・パラドックスについて〜」(2023.2.9)

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第158回木曜会講演会は、農学部六篠会関東支部が担当でした。神戸大学大学院農学研究科・教授芦田均氏に講演頂きました。

演題:「食と健康〜ブルーベリー、カカオ、お茶などに含まれるポリフェノール・パラドックスについて〜」

講師:芦田 均 氏 神戸大学大学院農学研究科・教授

 

【略歴】
1983年神戸大学農学部農芸化学科卒業/1988年同大学大学院自然科学研究科資源生物学専攻博士課程修了(学術博士)/同年日本学術振興会特別研究員/1990年神戸大学農学部助手/1994〜1995年アメリカ合衆国カリフォルニア大学デービス校環境毒物学科研究員/1999年神戸大学農学部助教授/2004年同大学農学部教授/2007年同大学大学院農学研究科教授(改組)、現在に至る。研究テーマと抱負:食品成分の機能評価に関する研究、生活習慣病の予防・改善に関する基礎的研究、ダイオキシン毒性の抑制に関する研究

 

【講演内容】
 植物性食品(ブルーベリー、カカオ、お茶など)に含まれるポリフェノールが、疾病の予防・改善に繋がる機能を有することから、ヒトの健康に寄与することが期待されている。しかしながら、細胞試験や動物実験で得られた結果と臨床試験の結果には乖離があることが多く、この乖離が臨床試験での有効性検証の障害となっている。これを「ポリフェノール・パラドックス」という。そこで演者は、このポリフェノール・パラドックスを解明することを目的とした研究を行い、疾病予防や健康維持に繋がる科学的根拠の分子基盤を目指し、ポリフェノール・パラドックスの観点からみた機能性に関する研究が紹介された。
 大豆は世界的に親しまれている食品であり、なかでもクロマメは黒い種皮に覆われた部位に様々な機能性成分が含まれている。種皮には特有のポリフェノールが多く含まれており、植物が産生する二次代謝産物であることから、クロマメ中のポリフェノール含量は品種や栽培方法により変動することが確認されている。また、原穀の種皮ポリフェノール量と比較して、煮豆やその煮汁、蒸し豆にすると多くのポリフェノールが検出されなくなるが、炒りクロマメは比較的多くのポリフェノールが残存する。炒りクロマメは通常、加熱前に一旦水に浸漬して豆に水を吸収させるが、その過程で著しくポリフェノールを損失する。一方で、水に浸漬しなければ、原穀と同程度のポリフェノール量が保持されたことから、水に浸漬せずに作成した炒りクロマメは高濃度でポリフェノールを摂取できる加工法であることが明らかになった。
 茶の作用に関する記述は古くからみられ、わが国では鎌倉時代に栄西禅師が茶の飲用を広め、「喫茶養生記」でお茶の効用を述べている。現代においても茶は日本をはじめとするアジア圏で飲料として日常的に摂取され、様々な生理活性物質が含まれていることが分かっている。特に抗酸化能をはじめ、生活習慣病予防・改善、抗がん、免疫促進、抗アレルギー、血流促進、認知症予防などの多機能が報告されているものがカテキンである。カテキンが有用なことは動物実験や臨床研究で多く報告されている。動物でのカテキンの吸収効率は極めて低く、吸収されたカテキンも血中では極めて微量しか検出されない。カテキンは腸内細菌によって代謝を受け、また、カテキン重合物は腸内細菌叢の変化を引き起こし、マウスの体重が減少したことが報告されている。難吸収性でありながら様々な機能性を示すことから、その機能ごとに作用機構を解明することが進められている。これら機能の作用機構の解明により、生活習慣病予防効果などの疾病予防に寄与することが期待されている。今後とも食品に含まれる新規機能性分子を探索・開発するとともに、有効性を示す機能性分子が口から入り、標的組織や細胞で効能を発揮するまでの一連の流れを掌握するために、個体、組織、細胞、分子の各段階において多次元的に解析することにより生体機能分子の作用メカニズム解析が進められている。
 クラブ参加者19名(講師、東京六甲クラブ事務局4名含む)、ZOOM参加者11名の参加があった。

(記:昭和56年卒農、田中易)

 

 

 

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「ふるさと ひょうご」Vol.145

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東京六甲クラブの紹介と番理事長の談話が「ふるさと ひょうご」Vol.145(令和5年2月号)の「われら ひょうご人」として掲載されました。ご覧ください。冊子が欲しい方は、若干の余部が有りますのでクラブにお越しください。

クラブ紹介記事はこちら

東京六甲クラブ・野崎

 

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クラブ講演会「日本山岳会創立120周年記念事業」報告(2023.1.31)

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演題:「日本山岳会創立120周年記念事業:グレート・ヒマラヤ・トラバースについて」

講師:吉井 修 氏(クラブにて講演)

日時:1月31日(火)、18時

(ご略歴等)

1961年生まれ、奈良県出身。1983年神戸大学法学部卒業、住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)入社。2015年日本トラスティ・サービス信託銀行(現・日本カストディ銀行)に転籍、2019年退職。神戸大学山岳部に1年半在籍。(国内)49歳で日本百名山完登、現在270/日本三百名山、40/47都道府県最高峰、91/関東百名山、82/東北百名山 etc.(海外)モンブラン、キリマンジャロ、アコンカグア(6650m まで)、ウェルヘルム、キナバル、アバチャ、漢ラ山、ツークシュピッツェ、オーバーロートホルン、ブキティマヒル、コトパクシ(5897m)、チンボラソ(6310m))
 日本山岳会は2025年に創立120周年を迎えます。その記念事業の一つとして、2020年春から2025年秋にかけて、東ネパールのカンチェンジュンガ(世界第3位 8586m)からパキスタンのK2(世界第2位 8611m)まで、約5000kmの踏査を目指す「グレート・ヒマラヤ・トラバース」の踏査を企画・実行中です。2020年のトラバースに続き2022年10月〜11月の登山隊メンバーとして参加されている吉井 修さん に大変貴重な体験や苦労話を講演いただきました。
 2020年のヒマラヤ・トラバースではチベット語で「5つの大きな雪の宝庫」と呼ばれるカンチェンジュンガの眺望が印象的でした。また、吉井さんが登山に対して大きな影響を受けられた西堀栄三郎氏(第1次南極越冬隊長)のいくつかの語録も心に残りました。今回2022年の遠征の4名の方々は、吉井さんが61歳で最も若く、ほかの3名の方は70歳以上で最高齢は77歳とのことです。また、前回2020年メンバーのお一人は義足でのヒマラヤ挑戦とのことに大変驚きました。
 2か月にわたるトラバースでは登山道具や食料など700sを超える荷物とのことでシェルパやポーターなどの多くのサポート体制や危機管理体制も興味を持って伺いました。また、高地の最奥の小さな村で現地の村人の怪我の手当てを行ったり心温まる交流にも感動しました。臨場感のある写真とともにエベレストなど間近に迫る動画を交えての講演は、参加者全員が身を乗り出して普段見聞きすることのない世界を体感しました。
 参加者は、クラブ参加12名、Zoom参加34名、事務局7名、合計53名でこれまでの講演会で最も多くご参加いただきました。クラブ会員の皆さんとともに、全国の登山仲間の方々をはじめ、吉井さんが勤めておられた銀行仲間の方々を含め多くのご参加をいただき、講演後の懇親も大変和やかな交流をさせていただきました。
 グレートヒマラヤトラバースは当初2020年から2025年までの予定がコロナの影響から少し延長されるようですが、次回はエベレスト街道からのヒマラヤ・トラバースに挑戦されるそうです。また貴重な体験談を伺えることを楽しみにしたいと思います。

(記:昭和50年卒工・中川順三)

 

 

 

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ZOOM講演会報告(2023.1.19)

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演題:「学生フォーミュラ・チーム」活動報告 〜日本一のクルマを目指す〜

報告:FORTEK (Kobe University Formula Student Team)
   手塚 隆太郎 さん(2023年度リーダー、工学部機械工学科2回生)
   辻 佑介 さん (2023年度リーダー、工学部機械工学科3回生)

日時:2023年1月19日(木) 18:00〜20:00(報告+質疑・ディスカッション)

出席:手塚さん・辻さん ... 大学の部室からZOOMで報告・質疑応答。
   ZOOM参加18名、クラブ参加1名、事務局6名、

1. 「学生フォーミュラ」とは

@ 学生自らがチームを組み、約1年間でフォーミュラ・スタイルの小型レーシングカーを開発・設計・製作。これにより学生がものづくりの本質やそのプロセスを学び、ものづくりの厳しさ・面白さ・喜びを実体験。競技会では、走行性能だけでなく車両のマーケティングや企画・設計・製作、コスト等の、ものづくりにおける総合力を競う。
◆ 総合的なものづくり ... 車両の企画・設計・製作、コンセプト、デザイン、コスト
  責任のあるチーム運営 ... 広報、資金調達、スポンサー交渉
◆ 動的種目:スキッドパッド、アクセラレーション、オートクロス、エンデュランス
  静的種目:デザイン、コスト、プレゼンテーション

A 主催:公益社団法人 自動車技術会。詳細:https://www.jsae.or.jp/formula/jp/

B 第1回全日本学生フォーミュラ大会:2003年9月10日(水)〜12日(金)(17チーム)
神戸大学チーム...2004年の第2回大会(34チーム)から参加。

2. 神戸大学チームの成績

@ 第19回大会(2021年)73チーム(61+EV:12)
(コロナ禍下、動的審査現地開催中止)
総合優秀賞 1位:神戸大学 2位:大阪大学 3位:京都大学

A 第20回大会(2022年)69チーム(55+EV:14)
総合優秀賞 1位:京都工芸繊維大学 2位:京都大学 3位:日本自動車大学校
24位:神戸大学

3. 活動人数と予算状況

@ 人数:16名 =一回生7名+二回生6名+三回生2名+四回生1名。
      =工学部12名(機械10)+理学部+農学部+経済学部+海洋政策科学学部

A 予算:約 300〜350 万円。

4. チームの現状について(報告者)

@ 目下の方針 ... まずは手堅く得点を重ねて上位を目指す。

A 予算が厳しく資金集めに苦労しているが、それを使う部員の厚みも欲しい。
一・二回生が活動の中心で、大学院生はいない。

B 電気系の学生がおらず、EV には手が出ない。

C 部材調達や部品加工等で協力して戴ける企業の方々との対話が重要で、そこで得られる様々な知見が役に立っているし、学ぶものも多い。
現在、学部等大学側のサポートは得ておらず、自動車部との連携も取っていない。

D 実走行による検証の場を確保することがなかなか難しく、他チームと共同で借りるなど苦心している。2022年大会では、燃料系の問題から完走出来なかったが、これは実走行テストによる検証が不充分だったことが原因と考えている。

... その他、ZOOM を通して活発な質疑・デスカッションが行われた。
FORTEK のあくなき挑戦に、支援の輪の広がりも期待したい。

(記:昭和55年卒法、田中秀一)以上

 

 

以上

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